日本では少林寺拳法と呼ばれる事の多い、少林寺や少林拳が絡んだストーリーの映画をご紹介したいと思います。
チャン・シン・イエン監督により1982年に公開されました。
主演はリー・リンチェイとして現在のジェット・リーが演じ、彼のデビュー作となっています。
舞台は中国の隋の時代、国の各地で激しい動乱が巻き起こっている中で、唐王朝を立ち上げようとする李世民に対し天下統一を成し遂げようとしている王将軍が暴虐の限りを尽くしていました。
少年子虎は、足に鎖をされて虐待されていた仲間を助けようとして父が殺されてしまい、子虎も重症を負いながら将軍の部隊から逃げようと歩いていました。
父を失い自らも傷だらけになった少年の目の前に、少林寺というお寺が見えてきたのですが子虎はそこで倒れ込んでしまいました。
僧達はそんな子虎を放っておく事もできずに介抱してくれた事で、子虎は容態も回復して次第に修行僧とともに水くみを行えるまでに回復しました。
しかし修行僧と子虎では体力差が大きく、子虎では全ての水をこぼしてしまいます。
そんなある日の事、修行をしていた僧達が拳法を練習していた事を目にし、自分も練習を行いたいと断髪する事にしました。
断髪をする事で僧となりその上で拳法の練習に励みますが、いつもいつも基本練習ばかりで不満が溜まります。
師匠は拳法が一人前になるには5年かかるのだというと、子虎はますます練習に打ちこむようになり、いつしか拳法が体に染み込んでいきました。
そんな子虎は復讐のために王将軍に立ち向かおうとするのですが・・・
みどころは5年連続で中国の武術大会で総合チャンピオンになったというリー・リンチェイ(ジェット・リー)の、かつての若く全盛期であった頃の拳法を見る事ができます。
チャウ・シンチー監督により2002年に公開された作品です。
かつて「黄金の右」といわれるほどの右足を持っていたサッカー選手のファンでしたが、チームメイトで子分のハンに八百長を持ちかけられた事がキッカケで足を大怪我し今はサッカーチームの雑用係にまで落ちぶれています。
その八百長試合から20年の歳月が流れハンはサッカー界の実力者としてファンは雑用係となっていましたが、ハンの配下のチーム監督を任されるという話を反故にされた事でハンに対して激怒します。
その中でハンはファンが落ちぶれるきっかけとなってしまった八百長事件で、観客を焚き付けて騒ぎを大きくしたのは自分で仕掛けたのは自分だったとハンは嘲笑するのです。
ファンは悔しさと情けなさと自責の念の中で、少林拳の達人で清掃員をしていたシンという男と出会います。
自分の不自由な足を指摘されてその無礼さに起こったファンでしたが、シンがサッカーで不良軍団を退治している所にでくわした事で、シンにサッカーを勧めるファンと、少林拳の宣伝になると考えたシンの利害が一致します。
そこから2人はかつての仲間達を尋ねてチームに誘います。最初は断られる事もありましたが、シンの少林拳普及への熱意とともに全国大会の賞金を目当てに結集し、ファンの指導のもとで練習をはじめました。
少林拳とサッカーという異種の組み合わせで大会を勝ち上がっていき、かつて自分を嘲笑ったハンと対峙する事となるのですが・・・
見どころは、少林拳とサッカーとふんだんに散りばめられたコメディで、嘲笑されてもそれを見返そうと生きる無骨な男の物語と思いきや、笑えるネタが満載で年齢も性別も問わずに楽しめる作品になっsています。香港喜劇界の帝王といわれるチャウ・シンチーの真骨頂を見る事ができる作品です。
ロバート・クローズ監督により1973年に公開された作品です。
ブルース・リー主演
ミスター・ハンという男は香港の犯罪組織を牛耳っている疑いのある人物で、ハンが3年に一度開く武術トーナメントへの招待状を、世界の名だたる武術家に送ります。
トーナメントは南シナ海の要塞島のハンで開催される事となっていますが、少林拳の達人であるリーにもトーナメントへの招待状が届きました。
国際情報局のブレイスウェイトから島の内定を依頼されますが一旦断ったリーは、自分の父親から妹のスー・リンがハンの手下であるオハラのせいで死んだ事を聞かされ、同じ少林拳を学んだ者であったはずのハンが悪事にそれを利用していると知った事でトーナメントへの出場を決意するのです。
ブレイスウェイトへ会ったリーは要塞島へと渡りますが、船の中で様々な出場者に出会います。
島では金髪の美女が出迎えその夜に開かれたパーティーは豪華ですが、リーはなんとなくしっくり来ない胡散臭さを感じていました。
そこにはブレイスウェイトが半年前に潜入を命じ、2ヶ月前から連絡が不通になっていた工作員のメイ・リンがいましたが、ここからはリーと協力して内偵を進める事になりました。
リーは島の内偵を進める中で、麻薬密造工場を見つけるなど怪しい島である事に間違いはありません。
翌日からトーナメントが始まりリーも圧倒的な強さで勝ち進みますが、内偵していたリーと間違われて参加者が呼びだされ殺されてしまいます。
参加者を脅し殺しながら参加者の中から手下を獲得していくハンと、妹の敵だとそれを倒すべく立ち向かうリーは果たしてどうなるのか・・・?
見どころは、現在でもブルース・リーといえばこの作品といえるほどに人気のこの作品。今は亡きリーの見事のアクションが見どころとなっています。
ラウ・カーリョン監督により1983年に公開された作品です。
実在の人物である劉裕徳をモデルとして描かれ、カンフーや少林寺を題材とした映画の金字塔と言われる大人気作品です。
明が滅ぼされ清の支配が進む広東が舞台です。悪の将軍により師や友人を殺されてしまった裕徳は悲しみに暮れます。絶望の中で学問だけでは世は救えないのだと武術を習得するために少林寺へと向かう事を決心します。
追手によって満身創痍となってしまう中、何とか少林寺へたどり着きここで裕徳は三徳と名を改めると、下積みを経験し毎日修行に明け暮れます。少林寺では一つの拳法にこだわらずいくつもの格闘術を習う事ができ、三徳も拳法を習うための戒律院である三十五の房に挑戦する事になりました。
それぞれの房に師範が存在し彼らに認められると先に進めるといった仕組みで、三徳は5年の年月を掛けてこの三十五房をクリアしていきました。
しかし三徳の目的が復讐である事で、彼の修行期間があまりにも短かった事などから院総長が自分と戦うようにと申し出るのです。それほどまでのこの5年という年月が異例の早さだったのですが、最初は敵わなかったもののやがては倒す事に成功したのです。
7年ぶりに故郷に帰りましたがこの地は昔と変わらぬまま散々たるありさまで、自分とそしてこの清という国を危ぶんだ三徳は仲間を集めて悪の黒幕であるティエン将軍に挑むのですが・・・?
見どころは今の中国映画にあるような一大スペクタクルではなく、どこか純朴で人間味に溢れた中で一心に己を鍛え上げんとする青年の姿に、金字塔といわれるゆえんを感じる映画となっています。